「うわぁっ!」
どすんっ
次の朝のことです。グーリは大きな落とし穴に落ちてしまいました。
「いてててて・・。」
外からは声が聞こえます。
「やったやったー。」
「グーリがひっかかったぞー。」
「わーいわーい。」
あの動物たちのしわざでした。すぐに出ようとしましたがうまくいきません。グーリは助けを呼びました。しかしやはり誰も来てはくれません。小鳥が来てくれないだろうかと思いましたが、小鳥が巣作りをしているところまで声が届きません。
お昼が過ぎました。グーリの涙は穴の中いっぱいになりました。涙の池にぼんやり映る自分の顔を見たグーリは思いました。
あーあきっと僕がみどり色だからみんないじめるんだな・・・。
グーリはたまらなくなって、またしくしく泣いてしまうのでした。
その時です。
どこか遠くのほうから叫び声が聞こえて来ました。竜巻がやってきたのです。大きな大きな竜巻です。グーリがやっとの思いで穴の中から首だけを出してみると、草原は大変なことになっていました。動物たちが次々と竜巻に飲み込まれているのです。所々に生えている木もねっこから抜けて飛ばされたり、恐ろしい悲鳴のような音をたててなぎたおされたりしています。これは草原の一大事。グーリをいじめた動物たちも逃げ場を失って、吹き飛ばされそうです。グーリははっとしました。
「小鳥さんは大丈夫だろうか・・」
この草原での、たった一人の友達です。そう思うといてもたってもいられません。必死に穴から出ようとしました。でもからだが小さくてうまくいきません。
そのとき、グーリは夜風の言葉を思い出しました。
「竜巻は風の神様、願い事を一つだけ叶えてくれるの。」
グーリは決心しました。
「よーし、風の神様にお願いします。ぼくの体を大きくしてくださーい!」
するとどうでしょう、グーリの体はみるみる大きくなり、小さな穴から軽がると抜け出しました。
「パオーン!」
大きく一声鳴くと同時に竜巻の中心に向かって力強く走り出しました。
体の大きくなったグーリ、はじめは小鳥を助けたい一心でしたが、自分より小さな動物たちが必死に風に耐えているのを見ると、どうしても助けてあげたくなりました 。
「オーイ!みんなー、僕のお腹の下に早く、早く隠れるんだー!」
グーリの大きな声を聞いた動物たちは必死になってお腹の下に逃げ込みました。太く、大きな四本の足はびくともせず、しっかり大地にふんばって、竜巻と戦っています。あまりに強い風の渦なので息をすることさえ苦しい動物たちは、目を閉じ、歯を食いしばってうずくまっています。